債務整理をしたらブラックリストに載るの?ブラックリストの登録期間とは

代表弁護士 佐々木 光嗣 (ささき こうし)

借金問題を解決しようと債務整理をすると、個人信用情報に記録が残るのが心配だと考える人は多いでしょう。
信用情報に記録が残ることを「ブラックリストに載る」と言いますが、債務整理をすることで本当に記録が残ってしまうのでしょうか?
債務整理におけるブラックリストや、もし登録された場合の登録期間など詳しく解説していきます。

ブラックリストに載るとはどういうこと?

そもそも、「ブラックリストに載る」という言葉は知っているものの、実際に載った場合にどのようになるのか知らない人も少なくありません。
ブラックリストの意味や、ブラックリストに載るとどうなるのか見ていきましょう。

ブラックリストとは

各金融機関では、個人信用情報という個人の氏名や年齢などの基本情報から職業や年収、過去や現在の借入金額などが掲載されたものを共有しています。
新規クレジットカードの申し込みや、新規借入などがあった際に、金融機関が信用情報を確認するのです。
しかし、クレジットカードの返済が滞ってしまった場合や、債務整理を行った際には、個人信用情報に事故情報や延滞情報が登録されてしまいます。
このことを「ブラックリストに載る」と表現しており、実際にブラックリストというものが存在するわけではありません。

ブラックリストに載るとどうなるのか?

ブラックリストに載ってしまった場合には、返済能力に不安があると判断されてしまいます。
そのため、クレジットカードを新規で発行したくても審査で落ちてしまいます。
その他にも、住宅や車のローンを組むことが出来なくなりますし、新規借入も難しくなります。
ただし、一生ブラックリストに載っている状態ではなく、一定期間制限されることになるのです。

債務整理でブラックリストに載るの?

ブラックリストに載る理由は、事故情報が確認された場合です。
事故情報とされるものの1つ目は、支払い遅延になります。
一般的には、61日以上の支払い遅延が合った場合とされ、クレジットカードの支払いだけでなく携帯電話の分割払いの未払いにも当てはまります。
そして、2つ目が債務整理です。
任意整理や民事再生、自己破産など法的な手続きによって借金を減額もしくは免除になる手段をとった場合にはブラックリストに掲載されます。
ただし、債務整理の中でも過払い請求に関しては対象外となります。

ブラックリストに載る期間とは

債務整理によってブラックリストに掲載されるといいましたが、事故情報が登録される信用情報機関は3種類あります。
日本信用情報機構(JICC)、信販系の株式会社CIC、銀行系の全国銀行個人信用情報センター(KSC)の3種類です。
それぞれの機関でブラックリストに載る期間はどれくらいなのでしょうか?

債務整理による登録期間

各信用情報機関、そして債務整理方法によって事故情報として登録される期間は異なります。
CICでは個人再生や任意整理では登録されることがなく、その他の機関では最短で5年最長で10年となります。

個人信用情報期間 自己破産 個人再生 任意整理
JICC 5年 5年 5年
CIS 5年 なし なし
KSC 10年 10年 5年

CICで自己破産以外の債務整理では情報が記載されないため、クレジットカードやローンの審査でCICの情報しか参照にしていない場合には、クレジットカードやローンの利用ができることになります。
ただし、基本的にはCRIN(Credit Information Network)という仕組みがあるので3つの個人信用情報機関の情報は共有されます。
FINS(Financial Information Network)という情報交流ネットワークもあり、CICとJICCが情報共有をしています。

これらの事故情報は、削除することができないため、設定された期間が過ぎるのを待つしかできません。
登録期間の始まりは、任意整理の場合であれば貸金業者と和解した日になります。
個人再生と自己破産に関しては、裁判所に認められた日からの期間になります。

個人信用情報は開示できる

各個人信用情報機関に対しての自身の信用情報が現在どうなっているのかを知りたい場合には、「信用情報開示制度」を利用して手続きをすることで情報を確認することが可能です。
ただし、それぞれの機関で手続きは異なります。
まとめて問い合わせすることはできないので、各信用情報機関に問い合わせすることになります。

社内ブラック情報とは

個人信用情報機関の情報だけではなく、クレジットカード会社には独自の社内情報があります。
そのため、債務整理によって利用していたクレジットカードが強制解約されてしまった場合には、そのクレジットカード会社独自の社内情報にブラックリストとして掲載されます。
これが、社内ブラック情報と呼ばれるものです。
個人信用情報機関に関しては登録期間が過ぎれば情報は消えますが、社内ブラック情報は永久に残ります。
そのため、ブラックリストから解除された後で、同じクレジットカード会社で申し込みをしても審査は通らないことが多いのです。

まとめ

債務整理をすると、金融機関のブラックリストに掲載されることになります。
借金問題を解決したいけれど、ブラックリストには載りたくないと考える人も多いでしょう。
過払い金の請求であればブラックリストには掲載されることなく、借金問題の解決に近付けることが可能です。
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