個人再生手続きの流れとは?再生後の注意点についても知っておこう!

代表弁護士 佐々木 光嗣 (ささき こうし)

個人再生は、裁判所に申立てをしてから手続きが完了するまで4~6か月ほど時間が必要になります。
個人再生の手続を検討している際には、どのような流れで手続きが進むのか把握しておくことは大切です。
そこで、個人再生手続きの流れについて詳しく解説していきます。
合わせて、再生後の注意点についても紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

個人再生手続きの流れ

個人再生手続きの流れは、東京地方裁判所と札幌地方裁判所といった他の地方裁判所では流れに多少の違いがあります。
最も大きな違いは、手続きに「個人再生委員」が選任されるという点です。
東京地方裁判所と札幌地方裁判所それぞれの流れについて説明していきます。

東京地方裁判所の場合

東京地方裁判所で個人再生の手続を行う際には、個人再生委員が選任されます。
個人再生委員は、裁判所が選任する債務事件に精通した弁護士で、裁判所が細かく管理できない部分を補助する役割を持ちます。
スケジュールとしては、申立てをしてから開始されるまでに1か月ほどかかり、トータルで半年前後かかります。

  1. 個人再生手続きの申し立て
  2. 開始と同時に個人再生委員が選任

  3. 個人再生委員との面接
  4. 個人再生手続きの開始が決定
  5. 債権者による債権提出
  6. 債権額が調査され、債務の確定作業を行う

  7. 異議申し立て・評価申立て
  8. 債権額に争いがある場合に行われる

  9. 再生計画の提出
  10. 再生計画案に対する意見、書面決議
  11. 再生計画の認可決定

札幌地方裁判所の場合

札幌地方裁判所では弁護士が代理で申立てをする場合に原則として個人再生委員が選任されることはなく、標準的なスケジュールであれば100日ほどで手続きが完了します。
基本的な流れは同じですが、東京地方裁判所よりもはるかに早期手続き完了が可能となるのです。
また、他の地方裁判所であっても個人再生委員は選任されることがない場合は札幌地方裁判所のスケジュールに近い流れで進むので、参考にしてください。
ただし、期間は4~5か月前後かかると考えられます。

  1. 個人再生手続きの申し立て
  2. 個人再生手続きの開始が決定
  3. 債権者による債権提出
  4. (債務額に争いがある場合には異議申し立て・評価申立て)

  5. 再生計画の提出
  6. 再生計画案に対する意見、書面決議
  7. 再生計画の認可決定

個人再生後に注意したいこと

個人再生によって借金が大幅に減額され、返済が難しくなっていた借金の負担を大きく減らすことができます。
そして、手続き中に決められた計画で返済していくので新しい生活のスタートを切ることができます。
しかし、個人再生をした後の生活で気をつけておきたい点があります。
借金の負担が軽減されるからといってメリットばかりではないので、注意点について知っておきましょう。

返済が滞ると再生計画が取り消しになる

個人再生では、減額した借金を3~5年で返済する個人再生計画を立てて、認可が下りたら計画通りに毎月返済をしていきます。
もちろん個人再生計画を立てた時点では、無理のない返済になるようスケジュールが組まれています。
しかし、何らかの事情で返済が難しくなってしまい、返済が滞ってしまうとすぐに債権者から督促があります。
その際に、すぐに支払いをすれば問題ありませんが、支払いができない場合には訴訟を起こされて給与や不動産などの財産が差し押さえられる可能性があります。

しかも、それだけではなく、債権額全体の10分の1以上を占める債権者は再生計画取消しの申立てをすることができます。
申立てが認められると、再生計画が無かったことになるので、借金が全額復活することになってしまうのです。
そのため、再生後には返済が滞らないようにしなくてはいけません。
もし病気による医療費負担の増加や、仕事を解雇されて収入が減少したといったような特別な事情がある場合には、再生計画案の変更を申立てすることができます。
そうすると、再生計画案の返済期限を最大2年間延長することができるので、状況によっては再生計画案の取消しを予防することができます。

クレジットカードを5~10年作れない

個人再生をすることで、信用情報機関に事故情報として登録されることになります。
そうすると、5~10年はクレジットカードを新規発行することができません。
既存のクレジットカードがあっても、個人再生手続きをするにあたりクレジットカード会社に受任通知が送付されるので、カードは利用できなくなります。
つまり、既存のクレジットカードも利用できなくなり、新規発行をすることも期間内はできないのです。
そのため、不便な生活になると考えるかもしれませんが、デビットカードであれば審査をせずに作成できるので、発行することができます。

まとめ

個人再生の手続きの流れとしては、弁護士に依頼することで自身ですべきほとんどのことを弁護士に任せることができます。
そのため、日常生活を続けながら個人再生を行うことができます。
個人再生では、無理のない返済計画を立てることが非常に大切です。
当事務所では債務整理実績が豊富な弁護士が、依頼主様が再生後も無理のない生活を過ごせるようにサポート致します。
まずは現在の状況などを初回無料相談にてご相談ください。