任意整理手続きにはどれくらいの期間がかかる?任意整理の流れと期間を解説

代表弁護士 佐々木 光嗣 (ささき こうし)

借金の返済に困っているけれど、破産手続きはしたくないと悩んでいませんか?
そういった場合には、借入先と交渉することで借金を整理する「任意整理」という手続きを選ぶこともできます。
破産手続きとは違って裁判所を通さないので、手軽にできる債務整理方法です。
もし任意整理手続きをする場合どのような流れで進んでいき、どれくらいの期間が必要になるのか解説していきます。

任意整理手続きの流れ

任意整理では、個人再生や自己破産とは手続きの流れが異なります。
借入先との話し合いによって、借金の返済スケジュールや利子の見直しを行うことが目的となります。
もちろん個人でも手続きすることはできますが、弁護士に依頼することで交渉を任されるだけでなく、取立てを止めることもできるというメリットがあります。
弁護士に依頼するとどういった流れになるのか見ていきましょう。

受任通知の発送

弁護士に依頼することが決まって委任契約を結ぶと、すぐに担当の弁護士から債権者に向けて受任通知が発送されます。
これは、今後交渉は弁護士が代理人として行うという通知であり、この通知を受け取った債権者は債務者に直接連絡できなくなります。
そのため、取立てなどの電話やFAXなどを止めることができるのです。

取引履歴の開示

受任通知を発送すると、借入先から取引履歴書が届きます。
この取引履歴をもとに、債務の再計算を行うのです。
ただし、取引履歴書が届くのは、早い場合であれば1~2週間で届きますが、1~3か月ほどかかるケースもあります。

債務の査定

取引履歴が全ての借入先から届いたら、債務の調査をします。
利息制限法の上限金利に基づいて、引き直し計算を行って債務を確定するのです。
上限金利は15~20%になるので、もし過払いがあることが判明すれば返還請求を行います。
また、債権者によって情報開示がされない場合には、再度開示請求を行うか、他の資料に基いて推定計算をします。

任意整理案の作成

債務の確定が行われたら、算出された借金額を基準にして返済期間や月々の返済額などの返済プランを組み立てて任意整理案を作成していきます。
この時に、親族などから援助が受けられる場合には一括弁済の案を取りますが、一般的には分割弁済の案が取られることが大半です。
弁済期間があまりに長いと債権者から同意を得られなくなるので、原則は3年で返済プランを立てます。
長くても5年までの設定となり、債務者の経済状況などから判断して設定されます。

交渉

作成した任意整理案を基に、各債権者との交渉をしていきます。
合意に向けて、今後の債務の返済期間などについて交渉を行いますが、どの債権者にも同一条件で交渉が行われます。
合意を得られたら、合意書を作成します。

弁済の開始

債権者からの合意が得られて和解が成立すれば、任意整理案の返済プランに基づいて弁済が開始されます。
任意整理案通りの返済が完了すれば、任意整理の手続きが終了となります。
もし整理案の内容に沿った通りの弁済ができない場合には、他の債務整理方法をとらなくてはいけなくなってしまう場合もあります。
無理のない返済プランを弁護士などと相談して整理案を作成することが大切です。

任意整理手続きに要する期間

任意整理手続きの流れを説明してきましたが、実際に手続きを開始するとどれくらいの期間を要するのでしょうか?
任意整理手続きに必要とする期間を見ていきましょう。

一時的に返済はストップする

任意整理手続きを弁護士に依頼すると、受任通知が債権者に発送されます。
その際に、取立てなどの請求行為を止めることが可能なだけではなく、借金の返済も一時的に止めることができます。
もちろん、借金返済の義務が無くなるわけではありません。
任意整理手続きにあたり、債務を見直す必要があるため、任意整理の手続きが完了するまでは返済を行う必要がなくなるのです。
そのため、任意整理手続きが完了してからの生活を立て直すための時間を作ることができます。

手続き開始から完了までの期間

弁護士に相談して依頼するところから、借入先との任意整理案の合意が完了するまでの期間は、個人差や状況によっても異なりますが、3か月~半年くらいが目安となります。
最も時間を要する部分は、借入先との交渉です。
借入先が合意するまで話し合うことになりますが、債務者は交渉の場に行く必要はありません。
弁護士に依頼していれば弁護士が交渉など全てを代理するので、債務者が足を運ぶのは、弁護士事務所に相談や依頼をする時と書類提出の時、そして合意に至った際の事務手続きのみです。
そのため、仕事や家庭の都合で時間が作れないような場合でも任意整理を行うことができます。

まとめ

任意整理には、債権者との交渉や今後の返済プランを作成するといった知識が必要な場面が多くなっています。
知識と経験の豊富な弁護士に任せることで、安心して任意整理の手続きを進めることができるでしょう。
当事務所は、依頼主にとってベストな解決を提案していくことをポリシーとしています。
任意整理の手続だけでなく、借金問題で悩みを抱えている場合には、まず初回無料の相談からご連絡ください。