債務整理にはどれくらいの期間がかかる?借金問題解決までの道のり

代表弁護士 佐々木 光嗣 (ささき こうし)

借金問題を抱えていると、早く苦悩から解放されるためにも少しでも早く借金を解決したいと考える人が多いでしょう。
できるだけ早く問題を解決するにしても、債務整理をするとどのくらい期間が必要になるのでしょうか?
債務整理をするにはどれくらいの期間が必要なのか解説していきます。
また、債務整理してから借金返済までに必要な期間も合わせて紹介します。

債務整理方法によって異なる手続き完了までの期間

債務整理の手続きが完了するまでに要する期間は、借入先の数や債務整理の方法によって必要な期間は異なります。
「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3つの方法では、どれくらいの期間がかかるのか相場を見ていきましょう。

任意整理の場合に必要な期間

任意整理は裁判所を介さない債務整理方法となるため、多くの人が借金解決の際に利用する方法です。
任意整理の場合は、債権者と直接交渉することで利息を免除してもらったり、借金が減額されることもあります。
債務者が自己破産をすると、債権者への配当がほとんど無くなってしまうことからも任意整理に応じる債権者も多いです。
相場としては、3か月~6か月ほどの期間を要します。
借入先が少ないほど交渉回数や書類作成が減るため、手続きも早く完了することができるでしょう。
順序としては、債務者側が債権者に整理案を送付し、和解書が返送されてきたら弁済が開始されます。

個人再生の場合に必要な期間

個人再生は、裁判所を通して債務を減額もしくは一部免除してもらう債務整理方法の1つです。
負債総額が5000万円を超えない場合に利用することができ、住宅などの財産を維持したまま減額された借金を返済していくことが可能となります。
個人再生の手続に要する期間は、裁判所の混雑具合などにもよって違いがありますが4か月~半年ほどで終えられる場合もあれば、1年近く時間がかかってしまうケースもあります。
個人再生をするには地方裁判所に申立てをし、裁判所へ再生計画案などを提出する必要があるので弁護士などプロのサポートが必須でしょう。

自己破産の場合に必要な期間

自己破産は、返済不能に陥ってしまった場合に裁判所を通して財産を清算して借金を免除してもらうという債務整理方法です。
破産手続き開始から債務者の持っている財産の範囲内で清算が開始されますが、財産がない場合には「同時廃止」の決定がされて手続きが終了になります。
この場合には、3か月~6か月ほどの期間で手続きが完了します。
しかし、財産がある場合には「管財事件」として手続きが始まり、処分する財産に応じて必要とする期間は長くなります。
相場としては、半年~1年ほどです。

債務整理後の借金返済にはどれくらいかかるのか?

債務整理をした後にも、任意再生や個人再生の場合であれば借金がまだ残っている状態なので、返済をしなくてはいけません。
借金返済にはどれくらいの期間がかかるのか相場を見ていきましょう。

自己破産は返済不要

自己破産の場合、債務者が持つ財産が換価されることになります。
そして、返済に割り当てられることになるので、財産の処分が終われば裁判所に免責許可の申し立てをして許可をもらえば手続きは終了します。
つまり、自己破産の手続きが完了した後には借金返済をする必要がなくなるのです。

個人再生の場合の返済期間

個人再生の手続では、裁判所に提出する再生計画案という借金の返済計画を記述した書類の提出があります。
その計画案では、返済期間として記載する年月は3年間が原則となります。
3年以上が返済期間と決まっているので、3年未満にすることはできません。
特別な事情がある場合のみ裁判所が認めれば最長で5年まで返済期間を延ばすことができます。
また、個人再生の返済期間中に何か特別な事情で返済が難しくなった場合には、裁判所が認めれば最長で2年返済期間を引き延ばすことも可能です。

任意整理の場合の返済期間

任意整理の場合、債権者との交渉内容や借入先の数によっても違いますが、返済期間の原則としては3年程度とされています。
これは、個人再生で作成される再生計画案に記載する返済期間が3年であることから3年という期間を設けることが多くなっているのです。
ただし、債権者との交渉次第では返済期間を長く設定することも可能です。
返済期間を長くする場合であれば、最長で5年くらいが目安になります。

借金の返済と信用情報機関の掲載は別

債務整理によって借金減額などで負担が軽減し、そこから借金の返済が3年で終わったとしても、信用情報期間に掲載された事故情報は消えるわけではありません。
債務整理から5年~10年はブラックリストに載っている状態であり、借金返済が終わっても期限がくるまでは事故情報は掲載されたままです。
そのため、その期間はクレジットカードの発行やローンを組むことは出来ないので注意が必要です。

まとめ

借金問題を早く解決したいと考えるあまり焦ってしまう気持ちも分かりますが、債務整理には法的な手続きや借入先との交渉などもあります。
少しでも早く解決を望むのであれば、自力で解決しようとするのではなく弁護士に任せる方がスムーズに手続きや交渉が進むでしょう。
当事務所では、借金問題の解決実績も多い弁護士がサポート致します。
借金の状態や相談者様の希望を尊重した上で、ベストな解決方法を提案させていただきますので、まずはご相談からご連絡ください。